食事をよく噛むことは、健康においてとても大切になります。
その中でも、ダイエットをしたい人は、1回の咀嚼(そしゃく)につき、20〜30回噛むようにするだけで効果があります。
実際、太っている人の99%が早食いをして食べ物を飲み込んでいます。しっかり噛まずに食べ物を胃に流し込んでしまうと、せっかく得られるはずだったダイエットの機会を損失しています。
目次
噛むことがダイエットに効果的な理由
しっかり噛むことは、ダイエットにとても効果的なことがわかっています。
そもそも、「よく噛む」という運動自体がカロリーを消費し、脂肪を燃焼させる運動になります。
しかし、実はそれ以外にも多くのメリットがあるんです。
よく噛むことがダイエットに効果的な理由は大きく分けて2つです。
- 消化器官の動きを助ける
- 食べ過ぎることがない
詳しく説明します。
1.消化器官の動きを助ける
よく噛むことで食べ物が細かくなり、栄養素がより体内に吸収されやすくなります。これをおこたると、消化に時間がかかり内臓に負担がかかるだけでなく、タンパク質などの筋肉を作るエネルギーが効率良く体に行き渡りません。
筋肉量を増やすことにより、基礎代謝を上げれば、運動をしていない時間もカロリーを燃やしやすくなります。
ダイエットには、必要な栄養素を体にしっかりと巡らせることが重要です。
2.食べ過ぎることがない
ゆっくりとよく噛んで食べることで、食べ過ぎを防ぐことができます。
理由は、よく噛むことで脳にある「満腹中枢」という部分が「もうお腹がいっぱいだから食べなくて良い」という司令が出るのと同時に、「接触中枢」という「お腹が空いたから食べよう」という司令をする部分にストップがかかるためです。
実際に、食前にガムを食べることで体重が減るという結果も出ています。
早食いをすると、満腹中枢からお腹がいっぱいであるという司令が出されないため、いつまでもお腹が空いていると感じて必要以上の量を食べてしまうので良くないです。
噛むことのメリットとは?
よく噛むことは、ダイエット以外にも多くのメリットがあります。
噛むことによる主なメリット3つをご紹介します。
- 表情や骨を鍛えられる
- 脳に刺激を与える
- ストレスの解消
1.表情や骨を鍛えられる
しっかりと噛むことで顔の筋肉が動き、表情が豊かになります。
血流も良くなるので、アゴの発達を助け、アゴの骨にも刺激と栄養を与えてくれます。
アゴの成長をうながすので、歯並びのスペースも確保しやすくなります。
丈夫なアゴを作ることで、運動能力の向上も期待できます。
2.脳に刺激を与える
よく噛むと、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の情報が脳に送られます。
口の中は、髪の毛1本紛れ込んだだけでもわかるほど敏感です。よく噛むことで、このように多くの情報が脳に送られるので、脳のあらゆる部位を活性化させることができます。
脳に流れる血液の量が増えて脳を刺激すると、記憶力や集中力を高めることもできます。
3.ストレスを解消できる
よく噛むことで、ストレスを解消できることがわかっています。
脳内には、外部からの刺激を不快だと感じる扁桃体と呼ばれる部分が存在します。
ガムを噛むことで扁桃体の活動を抑制し不快感を感じにくくなることが証明されています。
実験によると、嫌な音を聞きながらガムを食べると血中のストレス値が下がり、扁桃体の活動が下がることがわかりました。
ガムを食べながら記憶力テストをすると、食べないでテストをしたときよりも記憶力が上がったという結果も出ています。
皆さんも、ストレスのかかるデスクワーク中はガムやスルメを食べてストレス値を下げると良いでしょう。
よく噛まないことによるデメリット
上記ではよく噛むことのメリットをご紹介してきました。
反対に、よく噛まないと多くのデメリットが生まれるので合わせてご紹介します。
- 幸せホルモンが下がる
- 認知症発症のリスクが高くなる
1.幸せホルモンが下がる
心の安定に必要不可欠な脳内物質の「セロトニン」は、よく噛むことによって増加することがわかりました。
分泌量が減ると幸せを感じにくくなったり、不安を感じやすくなったり、落ち込みやすくなってしまう以外にも、集中力が低下したり目覚めが悪くなったりすることが判明しました。
セロトニンは一定のリズムで同じ動きを繰り返す「リズム運動」により活性化します。
食べ物を噛むという動きは、日常的に習慣として最も取り入れやすい運動と言えるでしょう。
2.認知症のリスクが高くなる
脳内では毎日新しい細胞が誕生しています。
歯がなくなって噛むことがなくなると、誕生する細胞の数が減るだけでなく、生まれた細胞の寿命も減ることがわかっています。
しかし、歯がなくなっても入れ歯をしている人は、入れ歯をしていない人に比べて認知症の発症リスクが低いことがわかっています。
しっかり噛まないと、認知症になるリスクが上がってしまいます。
しっかり噛んでダイエット以上の効果を得よう
よく噛むだけで、相当な食事量を減らすことができることがわかりました。
ものを食べるときには、1回につき20~30回ほど噛むことを意識しましょう。